24/07/03
たましいは
食用菜っぱ
2024.07.05
誰でも
今年初めての桃を食べる。
昨日、スーパーに行くと表面の一部がわずかに黒ずんだ桃が二つ、値引きされていた。母の手に握られた包丁がくるり、くるりとひかり、桃の皮がむがれていくのを横に立って眺める。母は、自分は小さなふた切れを食べて「あとは食べてええよ」と言った。ほんの少しのえぐみを感じる、果汁の滴り落ちる桃、あまりにおいしくてあまりに私の身の丈に合わないようで、むぐむぐ次々と口に入れながら、ほのかに空恐ろしい気持ちになった。大食いや早食いのテレビを観ているときとも似ている感覚だ。ひとり暮らしの部屋で定価の桃を買ってきてお腹いっぱい食べたとして、いくら心から感動しても、おいしく味わうことはいまの私にはできないような気がする。
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