24/04/07
昼を過ぎても夕方になっても日が暮れても、ベッドから出ることができなかった。スマホが充電切れになったことが後押しをして、19時前にようやく起き上がる。一昨日、幡ヶ谷にあるカフェで昼食をとり、レモンクリームをサンドしたスコーンをテイクアウトした。クリームの部分を削いでスコーンのみを温め、皿に盛ってクリームを添える。店から望まれている食べ方と明らかに違うけど、温かいもの/冷たいもののコントラストの魅力からは逃れられない。苦味と酸味のきいたクリームと、バターの香りが立つ軽い食感のスコーンは当たり前にすごくおいしい。こういうときでさえおいしいという感動も、食べることを好きな気持ちも捨てられないのはどうしてだろう。私が知っている小説の主人公は食事を摂っても味を感じないどころか、食欲すら湧かないみたいなのに。目を使い過ぎているせいで、視界がぼんやりと霞がかっている気がする。
土門蘭『死ぬまで生きる日記』を買うのがずっと怖かった。今じゃなくともいつかはきっと買うのだろうし、読んだら最後、お守りのような一冊になるという確信があった。どうしてだかその確信が購入を先延ばしにさせていた。それでも、昨日じゃないなら一体いつ買うの、という焦燥感にも似た気持ちがようやく購入に踏み切らせてくれた。映画館に行くのに気合いが必要な理由について、うまく説明できなかった会話のことを思い出す。
ここまで書くのにペンを持つ手にものすごく力が入っていたことに気づき、緩めるついでに前かがみになっていた身体を起こす。